履いたタイヤとは その1
さて、今回はタイヤ回です。
まだ書いてない大事なことがあったので。
・・何かありましたっけ?
そう、履いたタイヤの銘柄です。(いきなり落ちるのでタイトルにはしませんでした)これを明らかにしていませんでした。私も正直、半信半疑なところがあったので、明らかにはしませんでした。こう言うからには、ちょっとめずらしいタイヤです。
ちょうど履き替えが越冬の時期にさしかかり、もう春まではマッタリと走るだけになるだろうし、そんなにハイグリップの高価なタイヤじゃなくてもいい。来年の梅雨くらいになったら本命タイヤに履き替えるだろうし・・。ということで、3000~4000kmほどもつタイヤで冬場チョイ乗り主体なので暖まりが良くグリップが底々は期待できるもの。かといって完全ツーリングタイヤなんか履いちゃうと一万キロとか持ちすぎて次の履き替えのタイミングがいつになるやらの可能性アリ、しかもスポーツ性という楽しさはスポイルされてしまう・・ということで、スポーツツーリングタイヤのジャンルから選ぶことにしました。
かといって、スポーツツーリングタイヤでも普通に買えばタイヤのみで3万中盤から4万中盤だったりするのでツナギタイヤにはもったいない。よく前後サイズ決め打ちセット(120と180のセットとか)で安く売っているのを探してみました。
まあ、3万前半あたりで数量期間限定でありますね。
ま、俺の検索能力をもってしたらこのへんで手打ちかなぁ・・とそろそろポチろうかと思い始めた矢先、検索画面の片隅に不思議なものを見つけたのでした。
「これは一体、なんだろう・・??」
ちょっと常識外れた価格が表示されています。なんなんだこのタイヤ。聞いたことないメーカー、いやどこかで聞いたような。商品画像を見てみます、見たカンジは全くのスポーツタイヤです。パターンからするとハイグリップスポーツ系か。だいたいモノを見ればそのタイヤがどういう性格のものかは経験でわかります。商品写真を見た限りでは変なパチモンオーラというかハズレオーラというか、そういう負のオーラは直感では感じない。しかしこの値段は大型バイク用スポーツタイヤの常識ではちょっとありえない・・。
検索してみました。ちょっとは検索には自信があるのですが、あまり判断に役立つ情報が出てきません。あまりに少ない情報からも国内サイトでインプレらしきものがやっといくつか出てきました。先行して履いている方がいるようです。マジかと思いつつ見てみるとそんなに悪そうなことを書かれていません。果たしてアタリなのかハズレなのか、長考は続きます。
ポチッ
なんとポチッてしまいました!絶対に後ろから誰かが押した気がします(居ない)
また私の悪い癖が出ました。
よくわからないモノは試してみないと気が済まないのです。
それがコレなわけです。
今回履いたのは
NANKANG ナンカンWF-2というタイヤです。(対検索用表記)
ザワ・・ ザワザワ・・・
はい、分かります。
「なんだこのタイヤ?こんなタイヤ履かせたのか!?」
はい、ポチッてしまったので履かせました。
その2、装着編へ続きます。
クラッチフルード交換
さて、やり残していたクラッチフルードの交換を行います。
この角度だと光の関係でまだ茶色程度ですが、乗車位置からはぼぼ真っ黒に見えます。
クラッチのブリーダーバルブのナットは8mmです。
ブレーキの時と同じように、ブリーダーバルブへ耐油ホース、廃フルード入れを接続します。尚、これはワンワェイバルブを利用した負圧吸い出し式ですが、それでなくともホースと廃フルード入れだけで充分にできます。
ウェスなどでこのように周囲を保護します。
クラッチフルードタンクのフタを開けるわけですが、クラッチ側はちょっと奥まって傾いているため、クラッチフルードステー根本の六角ボルトを緩めて注ぎやすい位置へ少し移動させたほうがいいです(作業中はそこで固定)。
その際、油面は少し傾くので覚えておきます。FULLの状態でこんなかんじです。
またブレーキの時と同じく、フルードタンクのフタを開ける時は内蓋になっているゴムのダイヤフラムにフルードがけっこう付着しているので、持ち上げた時に液が垂れてハンドル周りに落ちないように充分に気をつけます。
外したダイヤフラムはバイクから離れてよく振って付着液を除去しておきます。(糸くずなどつくと面倒なので布とかでは直接拭かないほうがいいと思います)
古いフルードが出てきました。ブレーキの時にも言いましたが、このエアは油圧通路内から出てきたものではありません。本当はけっこう黒いんですが・・そう見えない。肉眼で見るともう少し黒いんですけどね。
フルードが減ってきたら底が現れる前にかならず補充します・・。
今回も使ったのはこのフルードですが、さすが注ぎやすさNo.1と謳うだけあって、この容器は非常に注ぎやすく垂れにくくて(絶対ではないですが)安心して作業が捗ります。安価ですしオススメですね。他にブルーとかグリーンとかあるようですよ。
うーん、この耐油ホースの色ではわかにくいな。もう透明というか、赤色のフルードなので透明に見えています。50mlほどで入れ替わったようです。
最後にフルードをこの位置まで入れて蓋を閉めます。ダイヤフラムをハメる際の不意なハネなどに注意しましょう。フルードタンクを元の位置に戻すと液面は水平でちょうどFULL近くの位置になります。
ブレーキの方では載せるのを忘れていましたが・・。
これは何をやっているかというと、ブリーダーバルブ内に残留しているフルードを除去しています。
このようにティッシュで作ったこよりを差し込んでフルードがティッシュに染み込まなくなくなるまで数回繰り返してやります。ゴムキャップをされているとはいえ、後から残留フルードが染みだしてきて周囲の塗装を侵してしまう可能性があります。
見事にブレーキ・クラッチ共にフルードの色が爽やかになりました!(白目)
クラッチレバーのタッチは・・元からエア噛みの感触もなくしっかりしていたのであまり変化は感じられず。やはり視覚的安心感の達成が大きいですね。別体式タンクは一番に目に入りますから、他人から見られても「おっ、ちゃんとメンテしてるな(変わった色だけど)」と見られるのが精神的に良いです。しかし放置してるUSBケーブルがうるさい・・。ステダンにあるのは自作加工のRAMマウントのベースです。
サヨナラの廃フルードです、ブレンボ純正だったんですかね。
交換に使用したフルードは50mlほどです。
2016 Ducati 959 Panigale walkaround Part2
またまた959のwalkaround のPart2です。
ツイッターで少し興味深いwalkaround画像を発見しました。
959Panigaleの、新車発表時にはよくあるサードパーティー製オプション搭載バージョンの959のようです。おわかりいただけたでしょうか・・。
マフラーが違うんですよ、これはスリップオンだと思うのですがアクラポビッチ製ですね!ヒールガード部も多分エキパイ自体で逃げを作り、黒色の耐熱樹脂パーツ(899日本仕様と同じようなもの)がついています。出口に網付き。色も綺麗なチタンブラウンていうんですかね、浮いてなくていいですね。ボテッとしてなくて軽そうでいい。
ノーマルはサイレンサーが黒巻きで出口がシルバーです。ヒール部のパイプの逃げが無いです。本当にちょっとしたとこで印象変わりますね。
私、アクラポビッチマフラーのついたバージョン好きですね。マフラーが変に浮いてなくて重く感じなくていい。これだったら「お!いいじゃん!」て好きですよ。しかも会場に堂々と飾ってるということはもちろんEURO4排ガス騒音クリアしてるでしょうし。公道OKの製品でしょう。規制に対応した腹下マフラーじゃないサードパーティーマフラーっていう選択肢無いよなあと思っていたのですが遂に実現化したようです。
しかしここでちょっと待った。
遂に腹下マフラー以外のサードパーティー製マフラーがパニガーレに出てきたと思うのですが(腹下マフラー以外のは見たことがない、日本仕様のニッチ需要のためにはどこも作ってくれなかった)、ドカティとしてもパニガーレは腹下マフラーだけではないと認めたことになりましたね。EURO4以前の無茶できる時代にはあの腹下サイドマフラーが出来たけど、環境を配慮するEURO4時代にはこういうマフラーもアリだと市場に認めて欲しいという思いが聞こえてきます。日本仕様はその暁だったのだ・・。
アクラポビッチの製品見た限りでは私は認めます。私が959オーナーなら即!このマフラーに変えたい。スリップオンで多分・・10~15万チョイくらいでしょう。
※ディーラー価格22万くらいになったようです。予想の上を行くさすがドカティ。
このマフラーに関しては日本でも車検OKになるんじゃないですかね。このタイプの1299日本仕様純正マフラーで近接騒音がOKなんだからギリギリいけるか。899にOKなら、このマフラーに変えてみようかなぁ。マフラーに関して救いのなかった私にも時代が来たかもしれないィィ(卒倒)。
スクリーンがスモークでより高いスクリーン、フロントブレーキレバーガード(これ意味なく欲しい)
フルードタンクがなぜか黒(また白目)、タンクキャップがメタリックシルバー、Ducati純正タンクパッド
シングルシートカウル、ギリギリフェンダレス(この長さが一番好き、完全に短すぎるのは嫌い)、ステップも違いますね。さすが、全体的にいじりすぎず、嫌味なく綺麗に仕上がっているオプション仕様だと思います。
ともかく、このマフラーが日本でも発売されるのか期待したいですね。これで大手を振って走れたり、雑誌に載ったりできるかも??
追記
この展示車の walkaround動画がありました。HD1024 60p動画なのでヌルヌルで綺麗です。フロントのリザーバタンクはタンク自体が黒、リアはちゃんとした液色してますね(笑)
このマフラーとショートフェンダーステー欲しいなー。
2016 Ducati 959 Panigale walkaround
959のwalkaround動画が出ていました。
なんやはしゃいでマフラー茶化してばかりなので真面目に見てみました。
箇条書き
パッと見は大きな変化は無し(左サイドからは)。
やはりスイングアームピポッドは4mm、899から下げられているようです。それにより前後重量配分の変化。ライダーなしで899は52:48、959は51:49、乗車時で50:50。ちょっとだけ巡航姿勢が楽になってるかも?
フロントマスクは目が縦に大きい1299顔に。現行600RRぽい。カウル関係部品(スクリーンとか)は899と共通かちょっと微妙ですね。大丈夫かな?吸気ダクト大型化。少し猛禽類系の凶悪顔が薄れたか。ミラーステーが空力を考えた中抜きの形になった。根本の形状見ると899への流用は無理っぽい(推測)。
ブレーキ足回りも違い無さそう。クラッチカバーは騒音防止カバー無し(EU仕様)。
ステップ!グリップ良い改良タイプに改められましたね。グリップ不足で交換の必要はないかな。
うーん光の加減で気のせいですかねぇ。リアブレーキのリザーバタンクのフルードがもう真っ黒に見えますよ(白目)。まさかタンク自体が黒じゃないですよね・・。船便で届いて納車時で真っ黒とか勘弁してください。
液晶メーター、モノクロで多分変わりなし。
ステフリング周りもスイッチ類含めて見た感じは大きな変化はなし。
フロントブレーキ側のリザーバタンクのフルードもすでに黒い気がする(病気)。
微妙にスクリーンが高くなっている気がします。純正は低すぎて私もゼログラビティのコルサタイプに変えているので、ここはうらやましいかも(変えるのもフロントカウル取り外しで必須で大変だった)。個人的には公道用にはマン島TTを走るマシンくらいスクリーン高くならないかと思う。あれはいいデス。
マフラーは右足カカトがエキパイに当たらないように逃されてるいる気がします。そのために下げたのかも。
リアサイドビューも大きな変化はなし。
タンデムシートも変わりないですが、シングルシートカウルの形状が1299と同様に間が切れ目の入ったタイプに変わったようです。空力的にイイのか2015 YZF-R1も同じです。
右サイドは大きな変化はなし。
シフトはダウン方向のオートシフト(ブリッピング)はやってこなかったのかな。1299とのコスト的差別化のためか。
左側からだと私も、顔を見てパッと899じゃないと分かるかどうか?というところですね。
2016 959Panigale
2015 EICMAにてDucati 959 Panigaleが発表されました。
まぁ、だいたいの予想通りというか、スタイリングは1299を踏襲、排気量を955ccへ60ccほどアップしたという内容で、他の装備面は大きな変更は無い模様です。メーターもモノクロ液晶のまま。ピポッド位置が数ミリ下げられたとどこかに見ました。
以上、報告終わります。
さ、寝ようとしたのですが・・。
↓ スクロール
これは・・一体なんだろう
http://panigale.ducati.com/959/?_ga=1.50709993.1542368325.1426681864
!?
あれー、いつのまにかDucatiジャパンのサイトでも開いちゃったのかな?と思ったのですが。なんで日本仕様マフラーのが会場に飾ってあるの?ああ・・親切に日本仕様も同時発表してくれたのねと思ったのですが。
なんと、これはEURO4規制仕様!!
つまり
アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア「以外」は、日本仕様と同じ二本(日本?)出しショットガンマフラーと同じスタイリングでの新車発売となります!!
ガガーンこれは予想していなかったー。まさかのサプライズ・・。公道テスト走行してる直前リーク画像でも左サイドばかりでマフラー側から写した写真無かったですよね、そういえば・・。
ツイッター見ると、あの頃「日本仕様HAHAHAHAHA!!」と言っていたアチラの人達が青ざめるというか、今度は顔を真っ赤にして怒っているようであります。アメリカのメディアサイトなどは普通に紹介(EURO4仕様は他人事)してますが、ヨーロッパ系のサイトは悲報扱いで書かれている様に感じます。
959パニガーレの公式動画です。全体でうまくアレが映らないように編集してるような・・。
しかしこの狙いすましたようなサムネイル・・。
EICMAでの発表の様子です。
ステージサイドからこの向きで登場してきて、マシンはずっとこの向きのまま・・。ステージ左サイドからも見えない。さすがに、これは気まずかったのかなぁ・・。紹介も短く、そそくさと同じ向きのまま左手へ押されて退場していく。
世界中であの時日本国内で起きた衝撃というかガッカリ感が走っているようですね・・。欧州の方、ご愁傷様です。
959のプレゼンは24分30秒くらいから、
ワールドスーパーバイク Ducatiワークスライダー、ジュリアーノ登場!
降り方がなだぎ武のディラン・マッケイのようになってますが気にせずに。慣れないとサイドスタンド出しにくいよね・・わかる。
お約束でマフラー変えれば追加費用、しかも959の純正からだとマフラー変えてるのが即モロバレ。EURO4なんておそらくマフラー変えたら排ガス規制値は即オーバーでしょう。特にパニガーレの場合・・。分かる白バイ隊員やおまわりさんには即捕まっちゃいますね。今までの厳しさと違いますから、商売人としてペナルティ受ける可能性がかなり高くあちらの正規ディーラーもマフラー交換はやりたがらないでしょう(日本でもDucati正規ディーラーは基本そうですしゲフン)。さすがに欧州ももう厳しくなる時代が来たんですね。スタイリング以外、装備面でぼぼ変わらない899の流通在庫・中古市場がどうなるか、ちょっと面白いことになるかも。
ちなみに、日本仕様にはあるクラッチ周りなどの防音カバーは無いですね。ということは、EURO4は騒音に関しては縛りは緩いんですね。それだけでもマシかも。防音カバー邪魔ですしね。
ご承知の通り、私は今後もノーマルマフラーで行きますが、1299の時もそうだったんですがこの二本出しマフラーはかえってちょっと存在感がありすぎて、異端の私の目からしてもどうかなーと。まだ初代の砲筒一本マフラーのほうが存在感は薄いと思います(誰も同意してくれない)
まぁ、日本はもうこの件は数年前に通過しているので。(feat.烈◯王)
最後に・・
全てはここからはじまった。
日本仕様ショットガンが出る前に流出していた開発中と思われる画像です。
日本仕様開発おつかれHAHAHAHA!と笑っていた世界よ、震えて眠れ?
続報・修正ありましたら追加します。
スペシャル紹介サイト
ブレーキメンテする際のABS考
前々回、ブレーキメンテナンスにおいてABS付き車のエア抜きは困難であると書きました。あれから、改めて学習してみたので(いまさら?)まとめてみたいと思います。話半分に見てください。
こちらのサイトを見て、そういうことかと思いました。パニガーレのABSに使われているBosch製など、ABSのユニットメーカーや新旧などによって若干の動作は違いはあるのでしょうが原理は同じと思われ知識の流用はできます。分かりやすいのでオススメです。
http://www.gentei.org/~itoh036/gtslog/abs/
まず、ABSユニットがエアを噛むというのはどういう時なのか。
ABSユニットにはブレーキフルードの通り道として一次経路と二次経路というものを持っています。普段のブレーキ動作では一時経路のみを使用した今までのバイクの油圧ブレーキと全く同じ動作、対してABSの動作した時は一時経路をバイパスする形で二次経路がオープンします。この開いた二次経路(バイバス)にブレーキフルードを「退避させる」とか、「遮断する」「復元する」形でブレーキフルードの圧力をコントロールします。
私が思い描いたのはトンネルの待避所です。長いトンネルなど、トンネル内で事故・火災なのがあった時のために一定距離ごとに脱出用とかそこで車のUターン動作が出来るように待避所が脇に掘られて設けられていますね。誰か居るんじゃないか?と、なんとなくチラッと見てしまうあの怖い場所。
あそこがABSの二次経路と考えると分かりやすいです。ABSでは普段はあの避難所が扉で閉じられていますが、ABS動作の段階ではあの避難所の扉がオープンされブレーキフルードが流れ込みます。基本的にこの避難所にはエアが全く無い場所でブレーキ液のみで満たされるように、そして容量も受け入れ可変。ABSの動作が終わるとこの扉は閉じられる。ここに一時経路からブレーキフルードが逃げこむか一次経路へ押し戻されるかでキャリパへの油圧介入のコントロールを行い、断続的なブレーキ動作が可能になるわけです。ABSにエアが噛むとういうのはこの避難所に空気が混入してしまうことですね。なので、普段の動作やエア抜きでは全く関係ない場所であり、しっかりエア抜きしておけば今までのバイクのブレーキの扱いと大きく代わりはないと言えます。極論すればブレーキフルードを全て抜ききってブレーキフルード交換しても、(ABSユニット待避所の壁は開かないのだから)通常の作業でエアをしっかり抜けばABS動作に影響は無いといえます(極論です)
ここで心配な「ABSユニットに確実にエアが噛む」シチュエーションを考えてみると。
・エア抜きが甘かったため、エアを混入させたままブレーキを使用してしまい、ABSユニット二次経路へエアが進み侵入を許した。
・ブレーキフルード交換・ブレーキホース交換などで、ブレーキラインから完全にブレーキフルードを抜いた空の状態で、エンジンキーをONにしてしまった。
一番目は誰しも思いつくことですが、特に二番目が盲点ですね。
コンピュータによって電子制御されているバイクは必ずキーON時かエンジン始動時に各デバイスの動作確認を行います。ほとんどはキーON時です。
キーをONするとタコメータとスピードメータの針がスイープ動作(いったんMAXまで振り切り戻る)し、液晶メータ部が全表示パターンを点灯し消灯、インジェクション車のタンクの下からはピーグー(HONDA)とかヒュッヒュウ!(DUCATI)という燃料ポンプの動作確認音が聞こえてきます。
古くは2ストロークの排気デバイス(RCバルブ、YPVS、ATTACなど)付き車でキーONした時の「♪ピーグ~」と聞こえてくる動作確認音が懐かしいです。
この時にABS動作確認も行われています。動作確認しているということは、ブレーキ二次経路の壁が動作確認で開閉されているのです。例えばブレーキホース交換作業中、ホースも完全に取り外した際に「ちょっと暇だしエンジンチェックしようかな」などと何気なくキーONしたとします。チェックでABS二次経路が開きます、それだけでABSユニットがエアをドカンと噛んで終了です。噛んだらディーラーの設備でABSを強制動作させて二次経路を開かせてエアを吐き出させるという素人にはぜったい出来ない手間が発生します。プロでもABSのエア抜きはよく分かっていなくて作業失敗しているというのもあるようです。
よくブレーキパッド交換中などはブレーキレバーに触るな!(キャリパのピストンが出てしまうから)というのが鉄則ですが、これからはブレーキフルード関係の作業をする場合はバケツにフルード除去用の水を用意する事と共に、メインキーは必ず抜いておけというのが鉄則となりそうです。誤って自分や他人がキーONしてABSチェックを動かしてしまわないように。設定でABS OFFにしたり(ON忘れが怖い)、キルスイッチOFFでも不安ですね。もしキャリパをディスクローターから離した状態でキーONにしたらどうなるんでしょうね?ABSチェックの点検圧がかかったらビストン押し出されたりするんでしょうか。とすると、ピストン戻せなくなる事故も可能性ありますね。これからは二輪車はABSの標準装備が決定していますから、ブレキーメンテする際はキーは絶対にONしない(キーは抜いておく)というのが鉄則となりそうです。
ブレーキは安全を守る上で大切なデバイスです。
私は私を信じますが、これを信じるか信じないかはあなた次第です(お約束)。
電装系のお話
今回は電装系のお話です。お話というか注意です。
いろいろな画像に出ているように、私はパニガーレに色々と電装部品をつけています。
・車載USB充電器
・ETC
・電圧計
・照明系アクセサリ
車載USBは最近の流れでUSB充電できる機器(スマホ・車載カメラetc)を動作させるためのものです。2Ax2で4A(アンペア)必要とします。
ETCはまあ「普通の」ETCです。ETCあると料金所でモタつかずに高速に気軽に乗れますね。もはや手放せません。1A必要とします。
電圧計は思いつきでつけました。パニガーレのような大排気量ツインは始動時の電圧が足りないと大きなピストンをクランキング出来なくて致命傷です。4気筒より気を使わなくてはならないので電圧を観察できるようにつけました。前のCBRでもバッテリー舐めててエラい目にあったことがあるので・・。0.3Aくらいでしょう。
照明系アクセサリは完全に見た目用です。1Ax2で2A必要とします。
さて、何が言いたいかというと、けっこう電気って食いますよね、ということです。
そして、最近特にUSB充電設備を搭載増設するのが普通に近くなっており、その際によく使われるのが「ヒューズ電源から増設機器の電源をとる」というものです。エーモンの出している部品ですね。
これいい部品です。変に切った貼ったしなくともヒューズボックスから簡単手軽に電源をとり増設することができます。一度うまくいくと、ついアレもコレもヒューズ電源で・・とやりがちです。しかし、やりすぎは注意なんです!(川平)
最近のバイクはかなり電子制御され電気頼りで動いている傾向が強いですね。インジェクションにはじまり、ABS、トラコン、液晶メーター、とにかく電気電気です。そして特にSS系で電子制御が進んでいる機種において、電気の使いすぎ(取り過ぎ)は予想外のトラブルを招きます。私が実際に体験したことですが、USB充電機器やETCを899に増設しました。やり慣れたヒューズ電源からの取り出しです。しかし、899の動作に変なところが出てきました。不意にメータのABS警告ランプやエンジン警告ランプ点灯してしばらくして消えたり、そして低速巡航時などに変にエンジンが息をついたりガクガクした挙動が出るなどです。
なんか変だぞ?と思っていたのですが、どうも増設機器に電気を取り過ぎたことが原因で電子制御に影響が出ていたようです。しかもヒューズ経由で取り出しすぎたというのが原因のようです。今までのバイクはそれほど制御に電気を使わず余ってたので使い放題、特に動作に影響も出なかった。しかし、現代の電子制御されてるバイクだとその影響が如実に現れるようです。
これはマズいと思った私は、電気の取り出し方を改めてバッテリーから直でリレー動作による取り出しにチェンジして組み直しました。少し追加費用や頭の中でこんがらがりそうな配線を考え抜いて部品を揃えました。ほとんどエーモンとカーショップで手に入る系の部品で出来ました。この方法ならば899の電装系に介入しておらずまったく別に動作しているので、バッテリー自体に異常さえなければ問題なく動作します。万が一、私の増設した電装系に何か起こっても899側には影響が及びません。不意の警告ランプの点灯も、巡航時のガクガクした挙動も無くなり、やっぱりそうだったんだと反省しつつ新装備で安心を得た次第です。今は全ての電装フル動作でまったく不安なく走れています。
エンジン始動時のクランキングも毎回、全く問題なしです。よくあるACC動作経由のヒューズ電源取り出しだと、キーONでいきなり全電装ONで電源をとられる為、電圧が下降しセル動作に不安があります。しかし、私の電装ではエンジンが始動してから電装系に電気が流れるようにしています。
上記のパーツ、使ってみる方のために書いておくと、899パニガーレの場合はユニット切り替えスイッチは1側でエンジンキーONと共に黄線へ動作電流が流れます、ON側でエンジンが始動してから黄線へ動作電流(バッテリー直に接続している20A出力のリレーへ)が流れます。私はスイッチ設定ON側で使用しているわけです、参考までに。
あ、あと電装する場合はギボシ端子のカシメ作業が出来たほうがいいですね。ハンダまでいかなくとも、これを身につけるだけで自分でやった電装に対する自信がぜんぜん違います。
パニガーレに限らず、最近の電子制御満載のバイクに電装を追加する場合は、ヒューズ電源より少し面倒だけどこちらのリレー方式を採用したほうが安心で良いと思いますね。