Ducati 899 Panigaleいじり

Ducati 899 Panigale いろんな意味でいじりとバイク全般

Ducati 899 Panigaleというバイク その1

まさかDucatiを買うことになるとは思いませんでした。

しかも末っ子といえどあのパニガーレです。

 

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最初は乗り換えのためにリッターのツアラー系を買おうとしたのですが、職場の同僚に勧められて候補にあがりました。そんな自分がドカティ、しかもパニガーレなんてありえないと思っていたのですが、899に限っては前記した購入候補のバイクの予算より大きく離れておらず、まあ国産のリッターSSと同じ価格帯じゃないかということで手を出してしまいました。これが1199だったらまた一段上の価格帯で無理でしょうし、後述しますが1199しかなかったらパニガーレには乗らなかったでしょう。

 

まず感じたのは「そんなに乗りづらくない。」ということです。

ドカでよく聞くのが、ハマると面白いけど癖強いよー乗りづらいよーというものです。実はこれの前の型、848でしたか。試乗したことがあります。その時は確かに乗りづらかったです。俺にはドカ、ましてやSBKシリーズとかは無理!と確信するほど。

 

しかし、Youtubeでこのインプレ動画を見て、楽しそうだなと感じました。

なんかビビッと来たというやつですね。

 

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なんかよく分からないですが、1199の公道でのちょっとネガティブの部分をうまく打ち消し、公道で乗りやすいようにまとめあげた部分に強く惹かれましたね。私は公道メインなので。正直、これで乗ってみたいと強く思いはじめました。本当になんか分からないですが直感です。1199でも1299でもない、899だから乗りたいと。ほぼ乗った経験のないV型2気筒(90度Lツインて言わないとダメなんですよね)に興味があったし、ステアリングステム周りのみモノコックのほぼフレームレス構造という革新にも惹かれました。そう、それまでのドカ乗りの人からすればトラリスフレームも無く、電子制御まみれで癖みたいなものも薄まった変なものを作ったということでしょうけど、その変なものに私は惹かれたわけです。とにかくビビッときたんですよね、値段とかスタイリングとか二の次で。特に乗り換えたい理由もなくずっと同じバイクで来た私に、次はこれでゆっくり走ろうかなと思っていたバイクをキャンセルさせ、乗ってみたいと思わせるマシンが突如現れたのです。理屈ではないですね。

 

で、乗ってみて。

予想通りでした、ビビッと来た予感は的中したのです。乗りやすく楽しいです。

このバイクについて聞かれればやはり言われます。「ドカ乗りづらくないですか?」

私は答えます「国産の600SSあたりで街乗りで普通に走れる人ならば乗れますよ」と。

多分、ドカのしかもSBKにもっているイメージが吹き飛ぶほど呆気無く乗れます。

ポジションも、尖ってる国産600SS・R6とか6Rとかのほうがキツいと感じるくらいです。Lツインだけあってタンクはとてもスリム、しかもこのタンク、形状がとても良く膝足回りのフィットがいいんです。下半身がビシッと決まるというか、だから思ったほど疲れない、だから乗りやすさに貢献している。ホンダだとこの膝周りにゆとり有りすぎでかえって疲れてたんですよね、膝周りに自由度がありすぎて固定されないから自分の筋力で固定しないとならない。なんか常にどこに乗っていればいいのか分からないソワソワ感、そして足がフワフワしてるとお尻にのみ負担がくるからお尻が痛くなってくる、ホンダ乗りならわかると思います。そしてハンドルが意外と高く(1199よりハンドル一本分は高いです)絞っていないので横幅も広く極端に垂れていない。そしてなんといってもシート、このシートが滑りにくくポジションの固定に絶大な貢献をしている。1199ではサーキット向けの体重移動しやすい為の滑るシートがウィークポイントだったようで、899では滑らないシートに変更されたようです。

まとめるとツーリングも特に苦にならないほど乗りやすいです。

SBKだろ冗談か?と思われるかもしれませんが本当です。

注意する点、やはりあります。

まず、熱。股下が半端無く熱くなります。「焼ける」ように熱いではなく、「灼ける」ように熱いです。股下に後方バンクのマフラーがとぐろを巻いているため、その熱です。ジーンズのみではまずぜったいに無理です。私はプロテクター入りインナーを履いてジーンズを履いてよく乗りますが、それでギリギリ耐えられます。革パン推奨です。もしも試乗する際は、冬以外はジーンズのみだとまず酷い目にあうでしょう。

そして低速のギクシャク。これはツインだから仕方ないと思いますし、今までのドカに比べればマシなものでしょう。しかし渋滞などのクラッチミート付近でのガガガッという振動とエンストには慣れが必要です。低速トルクが薄くクランクマスも小さい600SSに慣れていれば乗れますよという意味の大半はここにあります。低速域でエンストしそうになったらすかさず半クラッチにしてアクセルを煽って立て直すというSS乗りの反応速度であの動作が身についていれば大丈夫です。回せば回すほど振動も無くなっていきますし、流している時などは直4とさほど回転フィールは変わらなくなるといえば言い過ぎでしょうか、超ビッグボアショートストロークLツインエンジンですからね。そして飛ばせば飛ばすほど冷えますから、シートの熱さも気にならなくなっていきます。渋滞はSSの宿命として諦めるしかないですね。SS乗りはその辛さを知っているし耐える忍耐力も持ちあわせているから、という意味もあります。

 

一週間程度の北海道ツーリングだって行けちゃうと思いますよ。

長期用の荷物の積載が許せば、ですが。

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こういうサイドバッグもあるみたいだし、これにシートバックも加えて総40リットルくらいの(パニガーレにとっての)超長距離仕様にしてホテル泊にすればなんとか(キャンプ道具積載は無理でしょう)。バイクの信頼性も問題無いかと。

 

ドカティのSBKという枠にとらわれず、運用してみたいと思っています。

 

 

加速フィールは直線的。

これは本当に直4とは違うと感じますね、ダダダッという音とともに二次曲線ではなく直線的にジェットコースターで駆け上がっていく感覚。「ドカはエキサイティングなんだ!」という、どこかで聞いた言葉をしみじみと思い出します。

コーナリングは刺激的。

これは言われているとおり、鋭いですね。

さほど腰をズラしたりしなくともスパーーッと曲がっていきます。直4でも新品タイヤ交換した直後の空気がパンパンに入った状態で走っているあの怖いくらいのヒラヒラ感がいつまでも続くといえばわかりやすいですかね。思ったラインの一本か二本、曲がりすぎてしまってオットットという感覚。狙ったラインに溜めなく乗りスパーッと真円を描くように曲がっていく。直4のように曲がる瞬間に一瞬溜めがあって、それを開放してどこかでカクッと曲がってあとは終わりではなく。まさに細い板に乗っているような感覚。しかも899だと高いギアでスーッとコーナーに入り、直4だとパワーバンドから外れて立ち上がり失速してしまうかも・・的な走りが実はベスト。アクセルを開ければかなり下からでもダダダッと速度を回復させてくれる。ギア選択・パワーバンド維持とか細かいことは考えずに速い進入と曲げることに集中、コーナリングスピードを上げる事に集中しておけばいい。899という程よい排気量とLツインというエンジンに支えられ、峠道が本当に楽しい。

サーキットのように大きなハングオフ体重移動は必要なく、峠道のように頻発に小さく切り返す場所ではそれが大きな助けとなる。灼熱のシートも低速でのガクガクも全て帳消しになる爽快さです。

 

なので、これからこのバイクを考えている人には、国産600SSくらいのバイクを峠遊びにもツーリングにも街乗りにも乗れている人ならば大丈夫だよと言いたいです。あとは本当に相性のレベルです。