Ducati 899 Panigaleいじり

Ducati 899 Panigale いろんな意味でいじりとバイク全般

手組み・手動タイヤ交換 考

 

ehatovcat.hatenablog.com

・・の項の追記に書いたとおり、手組みタイヤ交換で初の失敗(敗北・GIVE UP)を喫しました。無理にやろうと思えばできたかもしれません、しかし、やればホイールは大きく傷ついてしまっていたでしょう。以前のバイクならば「まぁ、いいや」でやったかもしれませんが、今は乗ってるバイクがバイクです。そのような愚行を犯すわけにはいかず、撤退することとなりました。

 

ショックで一時は完全に手組交換からは引退も考えましたが、よく考えれば、あの部分(下の動画の2分16秒から32秒の部分)だけが出来ないだけなのです(しかもレバーを思い切りこじりやすいので最も傷をつけやすい作業パート)。

よくあるのは、2分6秒から16秒の部分と3分31秒から37秒の間の部分、ここをレバーでやるのが手組みの難関と思われている「誤解」です。ここは要領を得ればレバー手組みでも簡単なのです。焦らずやれば、リムプロテクターを使用し誰もがホイールを傷つけずにやれるようになります。事実、今回の超固ナンカンタイヤでもここは出来ました。

時間を浪費し、体力も浪費するのがアノ最も難しい部分なので、あそこだけホイールを持ち込み、チェンジャーマシンでやってもらうことにしました。行きつけのショップならば、その工賃を支払ってもまだ足は出ないので割り切ってそうすることにしました。もうイタズラにホイールを傷つけたくないですしね。

 

ということで、今回は私の経験の上から語る、タイヤメーカーごとの「手組みのしやすさ」ランキングを発表したいと思います。タイヤごとに構造から固さ・重さなどが違いいます。これは店頭でタイヤを触っただけではわからず、実際に組んでみないとけして分からないことです。これを知ることで、このタイヤはどういう走り方のために作られたタイヤなのか?ショップに交換してもらって乗るだけよりも、一歩進んだタイヤへの理解が深まります。

※よくあるインプレの、交換後は前のタイヤよりヒラヒラして軽い!とか言いますが、あれは当然のことです。偏摩耗しまくり、きっとエアも適正に入っていなかったタイヤから、プロファイル形状もしっかりして、エアを規定圧まできっちり入れられた新品タイヤです。ヒラヒラして当然です。

 

 

ちなみに、サイズはリッタークラスの120/70 180/55 190/55あたりのフィーリングです。他のサイズ・扁平率だと難易度は変わるかもしれません。

 

【やわらかい 簡単】

文句なしにミシュランでしょう。
パイロットパワー2CT、パイロットロード2などを組みました。

徹底してエアボリュームに頼って支える構造のようで、新品でもかなり柔らかい(ペナペナ)です。最も柔らかくなる夏場などは本当にレバー無しで手だけで組めるのではと思ってしまうくらいです。組んでいて本当にグニャグニャとよく変形します。変形しすぎてエアを充填する際にホイールとスキマが出来てビード上げ失敗しやすいのが注意ですね(ポンポンとよく地面に叩きつけて変形を直し、ビードを密着させればOK)。

反面、これはスローパンクチャーでも一気に逝って走行は不可能になるだろうなと分かります。最初に手組タイヤ交換にトライするならば文句なしにミシュランをオススメします。

 

【普通 簡単】

ダンロップかなと思います。
古くはD208、最新だとロードスポーツを組みました。

ミシュランよりはやや固くはなりますが、ぜんぜんイケます。ミシュランよりもコシのある固さなんだけど固すぎないという絶妙な感触があります。ビードあたりだけがねばっこい剛性感があるというか、周囲を柔らかくしても基礎となるビード部分だけはしっかりさせて剛性バランスをとっている印象があります。D208の頃は好きになれませんでしだが、ロードスポーツは摩耗による急激な特製変化も無く、素直でかなり印象良かったです。

 

【やや固い 一つの壁】

ブリヂストンかなと思います。
BT010、BT012SSあたりからBT014あたりまで組みました。

このへんになると、かなりタイヤ全体がガッチリして手組みの際にも手応えがあります。手で変形させようとしてもなかなかの固さがあります。一時期、ブリヂストンばかり履いていたので最近はあまり組んだり、履こうとは思いません。フロントの偏摩耗が起こりはじめると、いきなりフィーリングが悪くなる傾向が強かったです。フロントタイヤのサイドが絶壁の変なブロファイルでした。例の一番大変な作業ポイントで、力技だけで剥がすことが出来るのはこのクラスまでです。

 

【固い 覚悟が必要】

外国産勢 メッツラー、ピレリです。
Z8インタラクト(スチールベルト)、ROSSO CORSAなどを組みました。

「外国産の作りは固いな!」とはじめて痛感しました。手の力での変形もしずらいですし、新品を触っただけで「あ、これは苦労するな・・」と直感しました。

かなり苦労して組んだ記憶があります。ピレリに関してはパニガーレの新車標準タイヤでしたが外すのもけっこう大変だったような・・。とにかく固いです。国内産のタイヤで慣れてからトライしたほうが無難だと思います。いきなりこのクラスのタイヤ手組にトライすると、二度とやりたくなくなるかもしれません。

例の一番大変な作業ポイントでかなり手こずります。レバーもかなりこじって、体重をグングン乗せ、プラハンで叩き、ウンセウンセと言ってようやくタイヤを剥がした記憶があります。出来ればこのクラスも、機械の力を一切借りない手組オンリーは二度とやりたくないレベル。

 - 番外 -

このクラスの番外として、サーキットで使用したSPタイヤの中古もあります。BT-001、002とかの中古タイヤですね。これもかなり固かった。苦労して組んで外した記憶がありますね。ナンカンほどではないけど、あのゴムのタイヤと思えない硬化したガチガチ(カチカチ)感は近いものがありました。経験としては良かったと思います。

 

【パリ固 人の力では絶対無理】

金字塔のナンカンタイヤです。
タイヤを触れば誰しもが「あ、固い」「手で組めるのコレ?」と思うはずです。本当に手の力ではまず変形しません。体重を思い切り乗せてみて、やっと少し変形するかな?と感じるほどです。タイヤ手組み中に踏んだりして変形させたタイヤが、抑えていないと勝手に完全に元の形に戻るんです。これがどんなことか、手組みしたことがある人なら「えっ」と思うでしょう。普通は変形させたタイヤはエアを充填しない限り勝手には元に戻らないんです。

最初にタイヤが届いて触った時「あ、これは失敗した。やはり東南アジアタイヤはダメだったか・・」と正直思いました。なので、最初走行した時は「ええっ?ぜんぜん悪くない・・」と驚きましたからね。

パンクでエアが抜けてもタイヤが全然潰れないんでは?と思えます。けど、実際の走行フィーリングはいいんですよ、不思議なことに。出来ればこのタイヤはショップなどでチェンジャーで組んでもらうことをオススメします。チェンジャーでも感触は固いんじゃないかなぁ・・。工賃を払っても他のタイヤよりはだいぶ安いですしね。 

タイヤ手組みに自信のある人、物好きな人は腕試しで試してみてください。

特にタイヤを外す部分ですが、私は正直、無理です。
ハメるだけだったら出来るけど・・チェンジャーマシン必須。

 

不思議なタイヤですね。

 

以上、これからタイヤ手組み交換にトライする際に参考になればと思います。

手動チェンジャーも、バイク用となるとなかなか良いのが無いんですよね・・。