Ducati 899 Panigaleいじり

Ducati 899 Panigale いろんな意味でいじりとバイク全般

防寒の切り札!!電熱グローブ導入考 Part2(実行編)

 

http://www.rs-taichi.co.jp/website/support/e-heat/faq_2013.html#RST594-595

Q.USBから電源を供給することはできますか?

A.不可能です。USBの電圧は5Vですが、規格上で最大電流は2.1Aしかなく、e-HEATに十分な電力を供給できません。

 

 

    本当に出来ないのかな?

 

これが今回のメインテーマとなります。

 

最近ではとても安価になっているモバイルバッテリー、最近ではスマホへの充電などでかなり認知度は高まったとおもいます。スマホへ数回充電できてしまう10000mAhの製品などもお手軽な価格で売られています。これを使用することができれば・・。純正バッテリーは5000mAhで(片手)最長で4時間はもつようですから、10000mAhを両ポッケなどに持ち歩けば単純計算で倍もつことになり日帰りなら充分レベル。また泊まりの旅先などでのバッテリーへの充電も宿のコンセントからUSBケーブルで一晩(※)でいつもどおり、充電用の追加機器も特に必要ありません。モバイルバッテリーは改良が進み大容量化と小型軽量が進んでいますから携行もさほど苦にはなりませんね。どうせ厳寒期のウェア装備なんてモコモコしてるんですから。

 

※(モバイルバッテリー自体への充電に関する豆知識)

 ・10000mAhのバッテリーで1A充電で12時間、2A充電で最短で6時間強で完了。

 ・最近の第二世代バッテリー(cheero PoerPlus2世代)あたりから2A充電できるようになっている。それ以前のものは1A充電製品が普通(充電が超遅い)。

 ・2A充電(急速充電)はAC(コンセント)-USB変換器からUSB充電ケーブルまで「全て2A対応の充電製品で揃えないと成立しない」ので注意(重要)

 ・2A充電環境を揃えても、モバイルバッテリー自体が1A充電にしか対応していないと1A充電しか出来ない。(完全ゼロから一晩で終わるか微妙なライン)

 

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ここから以降は製品の使用上におけるメーカーの警告を一切無視した内容となります。
実際に試される場合は充分に理解・注意をして行ってください。
ここに書かれている内容を模倣したことによる物的・身体的損害が起こっても当プログ主は一切保証はいたしませんし、電熱製品メーカーからも当然、保証は受けられません。

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さて、ここまで来て「そんな事言ってるけど、そもそもUSB電源で使えるものなの?」と思われると思います。私がイケそうと思ったのは以下の製品の仕様を見て思いつきました。

車両電源セット
http://www.rs-taichi.co.jp/website/images/download/e-heat/RSP030_Manual.pdf

バイクのバッテリーから電源をとって電熱ウェアへ電源を供給するためのものですが、バッテリーからくる電圧が12V5A(Max)、出力側が5Vとなっています。12Vから5Vへ単純に降圧させるDC-DCコンバータでしょう。注目すべき出力5VというのはUSBの電源供給規格の電圧と同じです。入力電流が5A(アンペア)ですから、おそらくグローブ1個につき1A、電熱ベストウェアの左右でそれぞれ1Aの計2A、マージンをとって1A

1A(グローブ) + 1A(グローブ) + 2A(電熱ベスト) + 1A(マージン)  = 5A

ウォーズマン理論による算出

 

という電流が車両電源セットの出力側5Vに乗って出力されていると思われます。

USBの規格は5Vで急速充電規格でも最高で2.1Aチョイまでしか流せませんから、USBケーブル一本だけでグローブから電熱ベストまで全て使える電流は流せません。

後から追加販売となった製品「ウエストウォーマー」に関してはモバイルバッテリーからUSB電源供給が可能になっている。もしかすると、2016-2017にかけての電熱製品はUSB電源供給可能に全製品を仕様変更してくる可能性あり?

電源供給仕様を独自にして、これまで同様に少数の特定ユーザーのみを囲い込むか、USBのオープン仕様にして電源供給方法を容易にして一気に電熱市場を爆発的に広める動きとするか、メーカーの判断を待ちたいところです。

 

うん、USBモバイルバッテリーから電源がとれそうなのはわかった。
でもグローブへの電源供給はどうするの?グローブへはDCケーブルとプラグだけど。

はい、こういうものがあります。

item.rakuten.co.jp

こんなものがあるんだ!?というのが見つけた時の印象です。誰しも考えるものなんですね。一般的ではないですが、しっかりと用意されていました。よし!これで勝つる・・と思ったらまだ早い、DCジャック・プラグの規格の問題という物があります。

上記の製品のDCジャックは「外径4mm センターピン1.7mm センターピンの極性は+」というEIAJ2(後述)という規格仕様のものです。

PC関連機器に付属のACアダプタのDCジャックって、大きさが千差万別で使い回しが効くのか効かないのかサッパリでウンザリした経験が誰しもあると思います。DCジャックで大事なのは「1.外径、2.センターピンの径、そして3.センターピンの極性」です。これがアダプタメーカなどによりかなりマチマチ(わざと?)で使い回しが効かないからウンザリなんですね。センターピンの極性も基本は+なんですが、独自仕様では逆のマイナスな物も平気であるようです。

 

DCジャックに関して調べたら、一応規格はあるということが分かりました。

DCプラグの規格

上記の製品はEIAJというDCプラグの規格で、DCプラグに関して「サイズもセンターピンの極性もマチマチでウザいのをいい加減統一しよう」という趣旨で決められた規格のようです(勝手に推測)。EIAJはピンの極性もセンターピンが+としっかり決められています。ちなみに、EIAJ2の規格ピンをチョイスした理由は「DC 3.15Vを超え 6.3V以下 定格2A」となっており、このグローブに供給される電圧電流には適していると判断したからです。また、グローブ標準に採用されているDCプラグ・ケーブルはひと回り細く小さく、耐久性に難ありという情報もあったので余裕を持ってこのサイズをチョイスしました。

 

この 電熱グローブ(RST595)のDCプラグ、ノギスで計測すると外径3mmのセンターピン径1.3mm「前後」、ノギスでも正確にわかりません。どこかのブログでも書いてましたが、センターピン径が0.1mm違いで似たようなものがあり、はっきりいって「このサイズだ!」と目では特定はできません。いわゆる「プラグの部品を取り寄せて実際に刺して見ないと分からない(失敗したら即、燃えないゴミ)」という厳しいレベル。google調査でなんとか割り出そうと頑張りましたがダメでした・・。

改造しようとしてるんですから、RSタイチに「電熱グローブのDCプラグの詳しい規格教えて下さい」と聞ける立場ではありません。上記のUSB-DC変換プラグの規格「EIAJ2」と接続できる変換コードをネットでかなり探し周りましたが、国内品から怪しい海外製品のものまで含めて結局「これだ!」という決め手の物はありませんでした。通常ですと、ここであきらめますが・・

「そもそも、このグローブのDCジャック 特殊すぎてウザいのが悪い。いっそグローブ側もEIAJ2のDCプラグにしちまえば・・」と、悪魔のささやきで思い立ちました。

 

www.sengoku.co.jp

ありました!パーツとしてEIAJ2のDCプラグパーツが。これを2個通販で購入し(秋葉に行ける距離の人なら簡単に手に入るでしょうね)、意を決してグローブ側のDCプラグを根本から切断して切り離し!!このEIAJ2のプラグに換装しました。

- ハンダ付け -

このDCプラグの換装にはハンダ付けが必要です。ハンダゴテなんて中学校の技術家庭以来で持ってなかったので、ハンダゴテはアマゾンでハンダセットの一番安いものを購入で充分でした(ゴテの扱いとヤケドには充分注意!)。極性に関してですが、「グローブから出ている線の白い線が引かれているほうがマイナス、黒いだけの線が+」です。黒い線をDCプラグのセンターピン側へ、白い線の方はマイナス側(外周)へハンダ付けしてください。DCプラグのハンダ付けの仕方は検索すると出てきます。私も久々にやりましたが、そんなに難しいことではありませんでした。

 

・+と-の線は、+側(黒)を少し短くして長さに段差をつけてカットしないとDCジャックに収まらない。

・DCジャックのカバー部はハンダ付けの前に先に線に差し込んでおくこと。

・グローブから出ている線は短いですから、必要最低限だけ剥いてカットするようにすること。そうしないと、失敗するとどんどん短くなっていきアウトとなります。

 

うまく出来ると以下のようになります。ご武運を祈ります。

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「グローブから出ている線の白い線が引かれているほうがマイナス、黒いだけの線が+」 白いラインのはいった線(マイナス)をプラグの外周(マイナス側)へ接続します。

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ハンダ付けしたらプラグのカバーを端子部にかぶせて締め込めば完成です。
ブラグのEIAJ2化完了!あースッキリ。プラグも少し大型化して剛性感・耐久度アップ。このほうが純正プラグより取り扱いやすいと思います。

 

難所はこの標準DCブラグカットとハンダ付け部分でしょう。高価な電熱グローブがパアになりかねないので勇気がいります。

 

ここまでくれば、あとはモバイルバッテリーからグローブへの配線です。

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こういったものを購入し、グローブまで配線することになると思います。私は初期案としてジャケットの両ポケットに10000mAhのモバイルバッテリーを入れ、ポケットの裏に小さい穴を開けてそこから上記配線で袖の中に通し、袖口へDCジャック(メス)を出す取り回しにしました。(二股ケーブルの使用については後述する内容で判断してください)

まぁ、このへんのケーブルの取り回しはそれぞれで悩んでください。モバイルバッテリーをウェアにどう収納・固定するかが鍵ですね。強力なマジックテープを活用するのも一つの手かもしれません。モバイルバッテリー自体がより軽量化するのも待たれます。

 

ここまで出来れば、たとえばバイクのバッテリーから電源をとりたい場合も

www.amazon.co.jp

 

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こういったパーツを使えば車載電源取り出しを安価に作成できそうな気がします。