Ducati 899 Panigaleいじり

Ducati 899 Panigale いろんな意味でいじりとバイク全般

履いたタイヤとは その3 -NANKANG ナンカン WF-2 デビュー -

やっとタイトルで落とせました。

NANKANG ナンカン WF-2のインプレです。

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公式サイトはコチラ

http://www.nankang-tyre.com/home.php?fn=jap/products_car_detail&lv1=16&lv2=24&no=38

台湾のメーカーです。

国内メーカーに比べると非常に不安になるほどの情報量の公式サイトですね。190/55-17はサイズ展開にはありませんが実際は流通しています。

四輪のタイヤ方面では知名度あるんですね。

 

まあ、今でこそこんなこと書いてますが、この交換完了した当初は完全に思っていました。「これはやっちまったかな」と。なぜなら、手組交換であれだけ硬さというか変形しなさに苦労したんですから、走行フィーリングだって粗悪なツーリングタイヤのゴッツゴツのゴロゴロした感触が伝わってきて最悪だろう思ったんです。このタイヤ空気入れなくても大丈夫なんじゃないかと本気で思いましたからね。それでも安いから、まあ春までバイク転がせれば御の字・・という諦めの境地の中での走り出しとなったのでした。

 

 

 

 

 

インプレ

 

イインデス!!(楽◯タイツマン)

 

かなり身構えて乗り出しました。

おかしいんです、このタイヤ。

ムムッ?ムムムッ?というかんじで。

予想が裏切られました。

 

空気圧は規定値(FR共に公道2.5bar 2.55Kg/cm2、サーキット走行時はF2.3bar[2.35Kg/m2] R2.1bar[2.14Kg/cm2])なのですが、サス下からの不快なショック及びゴツゴツ感無し、タイヤの重さからくるゴロゴロ感無し。これはおかしいですね。あの手組の感触からこの感触が出るのはおかしい。経験がありません。

寝かしこみも癖なく寝ていきます。途中から変に切れこむとか、勝手にステアされてラインを強制されるとかいうサーキット志向の強いタイヤにありがちなクセや神経質さも無いです。自分の通りたいラインを行かせてくれる、そしてけして899パニガーレのハンドリングをスポイルする挙動もない。

軽くワインディングを走ったのですが、普通にいつものペースくらいで走れてしまいました。途中からもう新品タイヤの慣らしは終わった気分です。このタイヤから受けるフィーリングは私はダンロップに近いと思います。特にロードスポーツというタイヤ。あれもライダーに乗り方を強制しないクセのない良いタイヤでしたが印象がそっくりです。どちらかというと、手組するとダンロップは柔らかい部類の印象なのですが、結果的になぜあれと同じ感触がするのか不思議です。

新タイヤでいきなり晩秋の15度付近から走りだしましたが、特に慣らしを意識すること無く走り出せましたし、唐突に滑って怖い思いをしたというのも皆無です。20kmほど走ってタイヤを触ってみると暖かいではなく、けっこう熱い!と感じるほど予想より温まっています。

これは気に入りました。峠遊び、年に数度のサーキットスポーツ走行へ遊びに行くには充分じゃないでしょうか。特に、ガチガチにタイムを狙うわけじゃないけど、せっかくのサーキットへは新品タイヤで遊びに行きたいという向きには経済的負担の少ないタイヤではないかなと。それでいて十分に楽しめますね。

 

とにかく最初の印象を吹き飛ばされた、不思議なタイヤですね。

先入観なしで一度履いてみることをオススメします。

 

1000km弱経過しましたが、フィーリングは良いままです。4000kmは大きく崩れること無く行けそうな予感です。

 

 

追記

http://www.globalco.jp/wp-content/uploads/2014/02/Autoby_201403_SPORTIAC.pdf

この記事を某所から見つけました。この記事書いた後から見つけたのですが、この宮崎圭一郎氏のインプレに賛同ですねー。同じように感じていて嬉しいです。グリップはもちろん、そのハンドリングの評価がそのとおりだなあ、と。やはりあのサイドウォールの強烈な「腰」が良い方向に作用してるんでしょうね。チェンジャーで替えた人は「このタイヤ組む時どうでした?」と聞いてみるといいかもしれません。多分、チェンジャー作業でもこの「ちょっと違う感」は感じると思うのですが。

 

2016年10月 追記

ほぼ一年使用(冬季三ヶ月は休眠)してみました。

峠遊びににツーリングにと使用して距離にしてスリップサインが出てしばらくして5000kmほどです。スリップサイン基準のライフとしてはおそらく6000kmが限度でしょう。しかしスリップサインが出てしまっているとプロファイルが変化して美味しいところは終了しているので、実質のライフは3500~4000kmと考えるべきでしょう。フィーリング劣化もゆるやか。空気圧の低下をフィーリング劣化と勘違いしないように、茎気圧管理はしっかりしてあげたほうが良いでしょう。

これはナンカンに限ったことではないのですが、特にスポーツ・ハイグリップタイヤはタイヤプロファイルが変形(真ん中だけ減ったり、いわゆる台形減り)してしまったらスリップサインが出ていなくとも、もうフィーリングも良くないし楽しくないし終わりだと個人的には思います。

総評はぜんぜん良かったということです。グリップの良いタイヤで気軽にツーリングにも行くことができました。すごく高いハイグリップタイヤを履いてツーリングに行って真ん中だけ減らすジレンマを抱えて走るくらいならこのようなタイヤを履いたほうがいいと思います。ましてせっかく高い金出したハイグリップタイヤが勿体無いからといってカーカスが出るまで履くのはせっかくの楽しいバイクで無駄な距離を重ねるだけです。スポーツティな走行もしたいけどツーリングもソコソコ楽しみたい、けどだからといって完全なツーリングタイヤに落としてしまうのも心情的に・・という向きには最適だと思います。ツーリングタイヤにするとライフが長すぎて数シーズン履くことになり、逆に走行距離的に使い切れないというジレンマをもつ人にも良いと思います。

 

というわけで、私は気に入りましたので実をとってこのタイヤをまたリピートしたいと思います。年間6000km走行ならこのタイヤを半年一回交換が理想だと思います。

リッタークラス向けで前後で¥20,000ほどという安価。バイク用タイヤがそもそも高すぎる(バイクに乗らない人に前後で4万円とか言うとと大抵はすごく驚かれますよね)。あとは自力タイヤ交換ですが、やはり慎重さは必要。サクサクと鼻歌まじりで柔らかいタイヤだけやってた人は気をつけたほうがいいです。出来れば一度はサーキット走行用SPタイヤの「固くなった中古」を組んだ経験があったほうはいいでしょう。ゆっくりじっくりやれば出来ます。

 

★追記・警告★

リピートしたのですが、この使い終わったタイヤ、交換の際、外せませんでした(泣笑)

フロントはなんとかかんとかイケたのですが、リアはもうギブアップでした。

正確に言うと、タイヤ構造が固すぎでホイールからタイヤを剥がす段階(私の考える、手動タイヤ交換で最も難しいパート)がどう考えても人間の力では出来そうにありませんでした。使い終わったベッコベコのミシュランタイヤなどであれば力技で楽勝でホイールからスパッと剥がせるのですが、このナンカンタイヤに関しては本当に出来ませんでした。なので、泣く泣くショップに持ち込んで、工賃を支払いお願いして、剥がすとこだけチェンジャーマシンでやってもらいました(正直、「素人が無茶しなさんな」と思われてるんだろなとムチャクチャ恥ずかしかった)。

手組みタイヤ交換を始めてから初の敗北です・・。「あ、これ絶対無理。ホイールに傷が入る前にチェンジャーでやってもらったほうがいい・・」、そう素直に考えてしまうほどの圧倒的な敗北でした。かなり屈辱でしたが、この難しい部分だけ、これからお金払ってチェンジャーでやってもらおうかなとも開き直って考えはじめました。

それくらい面倒なんです、このホイールからタイヤを剥がすパートは!

タイヤレバー使ってビードをホイールに埋め込む or ビードをめくる部分が難しいと思われてますが、全然違います。慣れればあんなとこナンカンだろうがなんだろうが楽勝です。実は一番大変なのはホイールからタイヤをスパッと剥がす部分なのです。チェンジャーでの作業を見ていても、ここはかなり手間と時間をかけて慎重にやっているのがわかります。

この動画の2分16秒から32秒の部分

www.youtube.com

 

 

それほど構造が固いんです、ナンカン スポーティアックWF-2!!

新品時と使い終わった時のタイヤの固さの変化が極端に少ないと感じました。普通、使い終わったタイヤは薄くなって少しは構造が柔らかくなってるものなんです、故に外しやすい(ミシュランは特にそう)。

 

しかし乗り心地は良いんです。ここだけは勘違いしてほしくない。手動オンリーでの交換は無理なレベルの固さですが、走りの性能に関しては不満は全くないのです。

もしも手動でやるなら、サーキット走行用のスペアホイールなど、苦戦してホイールに傷が入りまくっても構わないホイールでやったほうが良いです。それでも、交換できるという保証はしませんが・・。(アソコを二人がかりでやれば出来るかも??)