Ducati 899 Panigaleいじり

Ducati 899 Panigale いろんな意味でいじりとバイク全般

ブレーキフルード交換

さて、今回は懸案でありましたブレーキフルードの交換をしてみたいと思います。

プレーキフルード、ブレーキオイル、ブレーキ液、色々と呼び方ありますね。皆さんはどれがお気に入りですか?(笑)

 

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何が懸案かというと、パニガーレの持病?といわれるものの一つ、「ブレーキフルードがすぐに汚れてしまう」というものです。この画像のように。けっこう有名のようです。

特に リアのブレーキフルードが確かにすぐ真っ黒になってしまいます。私も納車してけっこうすぐに「もうかなり黒い!」と驚いた記憶があります。リザーバータンク近 くに猛烈に熱くなるエキパイの熱源があるから、ABS車特有の現象?リザーバタンクを定番のリストバンドなどでカバーすれば直射日光を受けないから劣化を防げる?など、理由は諸説色々とあるようです。ディーラーさんも持病は承知した上で「性能面で は大きな劣化・低下はないので、まだそのままで・・」ということでしたが。ちょっとスッキリしないまま乗ってきました。フロントも少しブレーキ液の色が濃くなってきたかな・・。別体式リザーバタンクってとにかく眼につきやすいので乗ってても色が凄く気になるんですよね。綺麗な色のブレーキ液でスッキリと乗りたい。道具を揃えたりと準備は進めていた のですが、いよいよ交換にトライです。

 

といっても、ブレンボマスターとキャリパー装着しているといっても今までのバイクと方法は同じですね。ただ、パニガーレはABS車です。ABS車は構造がブラックボックスチックなので、本来ディーラー設備でないとエア抜き出来ないものと覚えておきましょう。「もしも作業中にエアを盛大に噛ませたら」です。ブレーキ液を補充しつつのブレーキ液交換作業はミスしなければ理屈上、エアを噛む余地がありません。つまりブレーキ液交換中にリザーパタンクの液を切らせるなどの大ミスをしてエアを噛ませなければいいのです。この失敗をしてしまったらディーラーに持ち込む覚悟でやりましょう。ブレーキ液を完全に抜いてからの補充(つまりキャリパーの中やブレーキラインの中、ABS制御ユニットの中まで100%綺麗に新ブレーキ液で満たされる)をしたいというのであれば、ディーラーに任せることをオススメします。

 

いきなりフロントからではなく、リアから作業を開始してみます。

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今回はこのようなツールを用意してみました。ブレーキ液交換作業の捗るツールです。


つまり、ブレーキのエア抜き作業を連続でやればブレーキ液交換は出来るわけですが、それを何度もやるよりは注射器で負圧を作ってライン中の液を一気に吸いとって楽してしまおうというツールです。前述したとおり、パニガーレはブレーキ液がすぐに黒くなるので、多分交換頻度はエンジンオイルと同等になると思い、費用対効果アリと判断してこのツールを購入しました。

 

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リアのブレーキリザーバータンクを開けます。結構簡単に空きます。フタを外す際、中のゴムで出来たダイヤフラムに付着している液が不意打ちで垂れてきやすいので厳重に注意しましょう!

液が車体に付着してしまった時にかけるバケツ水を用意しておきます。

 

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今回はブレーキ液はコレを使用します。

別にサーキットに頻繁に通うわけではないのでDOT5.1とかじゃなくDOT4で充分。フロントリア同時交換に量がちょうど良さそうなこと。色が綺麗な赤でドカティ向き。ドレスアップ効果高し。この色が黒くなるときっとすぐに変えたくなる衝動に駆られる(=プレーキ液を定期で交換する習慣がつく)。という理由で選びました。

ちなみにこの商品、ブレーキ液を注ぎやすいように先端がスポイト状に細くなっており非常に扱いやすかったです。大抵のリザーバータンク周辺は入り組んでおり注ぎにくいのがお約束です。先端が長く量を調節して注ぎやすい。通常だと他にスポイトのような物を用意してそれに液を移し替えて注意深く注ぐのですが(実は用意してました。が、結局使わずに済みました)。

 

ちなみに、899はドカティによりフロントリアブレーキ、及び油圧クラッチ用として

SHELL - Advance Brake DOT 4 special hydraulic fluid

というものが指定されています。

 

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このようにしてブレーキキャリパのブリーダーバルブにホースをつけてブリーダーバルブを緩めてブレーキ液を吸い出します。ツール使うとブレーキペダルを数回ポンピング+ブリーダー緩めをしなくて良いので楽ですね。この時、このツールの場合は注射器をけっこうポンピングしていいようです。モノによってはポンピングしすぎると廃ブレーキ液を貯める容器が強負圧で破損するので注意。ちなみに説明書によると、この泡はブレーキキャリパ本体からのものではない(多分緩めたブリーダーバルブ周辺から吸った空気)とのこと。そりゃそうですね、こんなにエア出てきたら卒倒モノです。あと、意外な盲点としてはブレーキブリーダーバルブのナット、見た目12mmだろう・・と思ってたらなんと11mmです。11mmなんて手持ちでなかったので不意打ちでまた工具屋に走りました。イタズラ防止のためなのかな・・と思って調べたら、どうやらブレンボのリアキャリパの特徴のようですね?また勉強になりましたね。そんなこんなで古いブレーキ液を吸い出していきます・・。

 

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ハッ!とリザーバータンクのほうを見るとこんなかんじで減っています。ブレーキ液を切らせてしまうとゲームオーバーですので注意。

 

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底が突いてしまう前に、早めに新ブレーキ液を足してやります。色が赤く綺麗でやる気が出てきます。

 

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古い黒いブレーキ液が排出されてきます。下の金属は廃油入れのオモリ土台です。

 

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んー綺麗なブレーキ液に入れ替わってきたかな?と思うのですが、そういえばどうしてこういうツールの耐油ホースっていつも赤なんだろうと思います。なんとなく色が分かりにくいんですよね。透明にして欲しいものです。

 

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最後に仕上げて数回エア抜き作業をしてやり(エアは出てきませんでした)、ブレーキペダルがカチッとしたタッチになり、ブリーダーバルブをしっかりと手トルクで締め確認したら完了です。ブレーキ液面はこの位置にしておきましょう。欲張って入れすぎると、新品で厚いブレーキパッドを入れる際などにキャリパーのピストンが戻せなくて泣きます(液がリザーバータンク満タンだとマスターシリンダーポンプから戻れなくなる)。ご覧のような綺麗な赤色になりました。真っ黒フルードに比べたら泣きたいほど綺麗です。これでやっとスッキリしました。

ちなみにブリーダーバルブの締めトルクは12Nm、しかしこれくらいはいちいちトルクレンチなど使わず手の感覚で「クックッ」でやめておく感覚を身につけるようにしたほうがいいでしょう。けして保証はしませんが「これで充分だと思うんだけど、もう少し締めておきたいな・・」と思えるけど止めておくくらいが適正トルクと私は思います。

 

リアが問題なくうまくいったので、フロントもやってみます。

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少し見えにくいですが、下の長いネジ二本がフロントのリザーパータンクのフタを止めています。一見すると普通にタンクのフタをヒネるだけ開きそうですが、実はフロントはこのネジで止められていてこれを外すとパカッと開きます。

 

フロントのブレンボキャリパーのブリーダーバルブのボルトは一般的な8mmです。勘違いして奥のバンジョーボルトを止めている12mmを緩めてしまわないように気をつけましょう。

 

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作業しながらチラチラとリザーバータンクを何気に見ておきます。本当はリザーパータンクに布を巻きましょう。ガソリンタンク側には布をかけています。

赤色の線はスマホ充電用USBケーブル。取り回し少し考えないとなあ・・。

フロントも少しだけエアを噛んだフィーリングがしていたのですが、それも無くカチッとした満足のタッチになりました。

 

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フロントとリアを交換した容量です。

ACTIVEの210mlの製品を使い切り、実はもう一つ買っておいたものを少し使ったので計250mlというところですかね。使いすぎ?しっかり交換するとこのくらい使いました。慣れて効率的にやればフロントリアで210mlで充分間に合うと思います。

 

実走して違和感なければ完了です。

尚ここではブレーキ液交換の細かな手順は書きませんでした。その手の解説サイトは山のようにあるわけで、ここでは899パニガーレ特有の注意点を書くだけにとどめました。ブレーキの整備不良は事故に直結するのでしっかりとやり方を理解してからトライするようにしてください。

 ブレーキフルードは劇薬指定です。液のついた指で眼をこすってムスカ化したりしないように。又、廃棄液は排水として流してはダメで、何かに吸わせて燃えるゴミに出すとかしましょう。私は溜めている廃エンジンオイルと一緒にしてガソリンスタンドなどに処分に出します。

 

あ、クラッチのリザーバ忘れてました。

雨の日が続くので後日やるつもりです。

 

追記

試走行いましたが、レバータッチ変化など特に問題なし。

リアブレーキに関してはABSも作動確認しました。